スピニングリールの価格帯によって、搭載されている個数が変わるボールベアリング。
ボールベアリングの搭載個数は、コストを抑えるためだけでは無いと思いますが、ボールベアリングを追加する余地があるならば、「より快適な使い心地に進化させたい!」ですよね。(笑)
そこで今回は、私が愛用している18カルディアのボールベアリング数11個へフルチューニング方法のご紹介です。
18カルディアLT2000S-XHのスペックや、2年間ノーマル状態で使い込んだ感想については、こちらの記事にて紹介しています。
ボールベアリング追加前に知っておきたい3つの注意点
ボールベアリングを追加する前に、知っておきたい3つの注意点があります。
- チューニングは自己責任
- 巻き心地は変わらない
- こまめなメンテナンス必須
金属、またはプラスチックのカラーを、ボールベアリングに交換するだけで回転性能は間違いなく向上しますが、上記3つの注意点を理解した上でチューニングすることをおすすめします。
まずは、3つの注意点を詳しく見ていきましょう。
1.チューニングは自己責任
最初の注意点は、チューニングは自己責任です。
この記事では、ボールベアリングの追加手順を写真で追加カ所ごとに、分解→交換→組み立ての順番で注意点を含めて解説していますが、1つ1つのパーツが小さく、パーツを紛失する可能性もあります。
もし、紛失しても釣具店経由などでパーツを注文できますが、リールを分解したことにより、オーバーホールなどのメンテナンス依頼ができない場合があります。
リール本体を分解して、復元できなくなってもメンテナンス依頼できたケースもあるみたいですが、チューニングは自己責任でお願いします。
2.巻き心地は変わらない
続いて、2つめの注意点は、上位機種以上のボールベアリング数へチューニングしたとしても、巻き心地そのものは変わりません。
なぜなら、ギアやローター、リールボディに使われている素材や加工方法で巻き心地が変わってくるからです。
参考までに、今回のチューニングで使用している18カルディアのギアに使われている素材は亜鉛でタフデジギアが採用されています。
一方で、18カルディアの上位機種にあたる19バリスティックのギアは、素材は超々ジュラルミンでマシンカットタフデジギアが採用されています。
どんなにボールベアリングを追加しても、ギア素材などがそもそも違うため、19バリスティックの滑らかな巻き心地には届きません。私も期待していた1人ですけどね。(笑)
ボールベアリングを追加した効果については、ボールベアリングの追加は4カ所の項目でご紹介します。
3.こまめなメンテナンス必須
最後の3つめの注意点は、チューニング後はこまめなメンテナンスが必須になります。
錆びる心配の無いプラスチック素材のカラーを、金属のボールベアリングに交換するため、釣行後のリールの水洗いと定期的なオイルの注入が必要になります。
チューニングでより快適な回転性能を手に入れたとしても、水洗いで塩抜きが出来なければ、リールの寿命を縮めてしまう要因を自ら作ってしまうと言っても過言ではありません。
「チューニングの一手間をかけてでもリールの回転性能を向上したい!」と、この記事をご覧になっている方は、リールに愛着を持って大切にされている方と思いますので、余計なお世話かもしれませんね。(笑)
18カルディアのボールベアリング数
18カルディアに搭載されているボールベアリング数は6個です。
ダイワ小型汎用スピニングリールの中では、18カルディアからラインローラー部にボールベアリングが搭載されていますので、ノーマル状態でもライントラブルは少ないですよね。
ノーマル状態でも快適なのに、ボールベアリングを5個追加して総数11個まで増やせるので、どれだけ快適になるのかチューニング前から楽しみで仕方ありません!
数千円でできるフルチューニングを、手順を見ながら試してみましょう。
ボールベアリングの追加は4カ所
ボールベアリングの追加できる部分は、次の通りです。
- スプール内部
- スプール受け軸
- ラインローラー
- ハンドルノブ(2個)
上記の4カ所に5個追加できます。
スプール内部・スプール受け軸
スプール内部とスプール受け軸は、丸で囲まれた2カ所にボールベアリングを2個追加できます。
この2カ所は、魚の引きに追従して回転するドラグの滑り出しがスムーズになるという効果が期待できます。
ダイワの滑らかに効き続けるATDドラグとの相性が正直気になるところですが、大物とのバトルで体験できたら改めてお伝えしたいと思います。
渓流のポイントを絶賛開拓中の私にとって、スプールの2カ所は、デカいニジマスとのバトルに備えての下準備です!
ラインローラー
18カルディアのラインローラー部に、ボールベアリングを1個追加することで、標準装備済みと合わせて2BB化することができます。
期待できる効果としては、ラインローラーの回転効率と感度の向上、糸ヨレのライントラブル防止と、感度重視のライトソルトゲームをメインに楽しんでいる私にとって激アツのカスタマイズです!
反面、スピニングリールで1番塩が残りやすい部分のため、釣行後のリールの水洗いは「ご飯を食べたら歯磨き」するかの如く、当たり前に実践しないとですね!
ハンドルノブ
ハンドルノブには、丸で囲まれた2カ所にボールベアリングを2個追加できます。
ハンドルノブにボールベアリングを追加することによって、ハンドルを巻いた時に軽さを感じるようになったり、プラスチック素材から金属素材に変わるため、指に伝わる振動率の向上も期待できます。
手の感度は釣行回数を重ねるしか鍛えようがありませんが、数千円のチューニングで感度が向上するのであれば、やらない選択肢が見当たりません。
わずかな振動も感じ取れる感度が手に宿るまでは、リールを存分に頼って、魚を釣らせていただきましょう!(笑)
追加するボールベアリング
今回のチューニングでは、リールカスタマイズでお馴染み、ヘッジホッグスタジオのリール専用ボールベアリングを使用しています。
ヘッジホッグスタジオのリール専用ボールベアリングは、オイル注入済みのため、カラーを交換するだけでチューニングができるので超おすすめです。
「少しでも安く仕上げたい」気持ちもありますが、追加する部分で変わるボールベアリングのサイズを1つずつ確認する手間って結構めんどいですよね。
また、塩の残りやすいラインローラー部のボールベアリングを保護するパーツが付属されていたり、スプール受け軸のカラーを外す小さい六角レンチも付属されているので、チューニング作業がめちゃくちゃ簡単です。
こんなにも細い六角レンチが、お持ちであれば問題ないのですが、無ければ必要のないサイズも入っている六角レンチセットを購入しなければなりません。
工具で余計な費用がかかってしまうのであれば、少しでも性能の良いボールベアリングをリールに搭載したいですよね...。
ヘッジホッグスタジオのボールベアリングは、感度重視のSHG-プレミアムベアリングと、防錆性能の高いHRCB防錆ベアリングの2つがあります。
SHG-プレミアムベアリングは、ひとつひとつ手作業で選別して合格したものだけを厳選し、究極の滑らかさを実現したボールベアリングです。
私がカルディアを使用する場所は、港や渓流が多いので、感度重視のSHG-プレミアムベアリングを購入しました。
HRCB防錆ベアリングは、SHGプレミアムベアリングの10倍以上の防錆性能を誇るソルト対応ベアリングです。
ボールベアリングの金属そのものが非常に錆びにくく、波しぶきがかかるサーフゲームや磯などをメインで釣りをする方におすすめです。
それぞれ、追加できるボールベアリング個数5個で販売されておりますが、ラインローラーのボールベアリングを2個ともヘッジホッグスタジオで統一したい方は、ヘッジホッグスタジオのHPから注文すると、ボールベアリング6個で購入することが可能です。
それでは、ボールベアリングの追加手順を写真を見ながら確認していきましょう!
ボールベアリングの追加手順
ボールベアリングの追加手順は、分解→カラーをボールベアリングへ交換→組み立ての3つの工程です。
チューニングに必要な道具は、先ほどの細い六角レンチの他に、パーツ紛失防止のトレー、ピンセットとマイナスドライバー(3.0mm)です。
マイナスドライバーについては、いつも3.0mmでリールのメンテナンスをして特に問題なかったのですが、ハンドルノブのネジがものすごく固くて、緩める前にネジ穴が潰れそうになりました。
マイナスドライバーのサイズを色々と試した結果、先端が5.5mmのマイナスドライバーがジャストフィットし、なんとかネジを外すことができました。
ボールベアリングのチューニングでは、ラインローラーとハンドルノブの2カ所にマイナスドライバーを使用します。
これからマイナスドライバーを準備される方は、18カルディアには先端が5.5mmのマイナスドライバーがおすすめです!
1.スプール内部
まずは、スプール内部のボールベアリングの追加手順から確認しましょう。
ドラグノブを緩めて、リールからスプールを取り外します。
初めてスプールを外される方は、スプールを少し持ち上げながらドラグノブを緩めていくとスムーズに取り外しできます。
次に、ドラグリングの丸で囲まれたところを、ピンセットでつまんで外していきます。
ロックされている出っ張りを1つずつ外していくと簡単に外せます。ここでの注意点は、バネのようにドラグリングが飛んでしまうことがあるため、ピンセットで押さえながら外していきましょう。
続いて、ドラグディスクを外すと、スプール中央に金属のカラーが見えてきました。
カラーもスプールカラーリングで留められていますので、ドラグリングと同じように外していきます。リングが小さいので慎重にお願いします。
スプールカラーリングを外して、金属のカラーを取り出すだけですが、スプールにジャストフィットしすぎて少し外しにくいです。
また、解説では、外したパーツを右から順番に並べてます。
カラーをボールベアリングに交換します。
ボールベアリングをよく見てみると、中が見えないシールド面と小さいボールが見えるオープン面があります。どっちを上にすると良いのか少しハマってしまいますよね。
オープン面を下にして隠してあげると、水が侵入しても影響を受けにくく安心です。
あとは外した順番に組み立てるだけですが、分解時よりもリングが飛びやすいため要注意です!
指でスプールカラーリングを押さえながら取り付けていくことを強くおすすめします!
取り付けのコツを模索中に、リングが勢いよく飛んでしまって小一時間ほど捜索するはめに...。
難しい作業ではないのですが、リングの取り付け作業は、焦らず丁寧にしていきましょうね。
2.スプール受け軸
2つめのスプール受け軸のカラーは、六角レンチでパーツを外してから交換します。緩める方向は反時計回りです。
しかし、18カルディアLT2000S-XHは黒いワッシャーが2つ標準装備されていて、最初はワッシャーがネジに干渉して外せませんでした。
ワッシャーを1枚ネジの上に移動することで、ネジを外せるようになりました。
リールの番手によってワッシャーの枚数が異なると思いますので、ネジが干渉しないか確認してから六角レンチで緩めてくださいね。
ネジを完全に外しても良いのですが、丸で囲まれたパーツを一塊りのままにしておくと組み立てがとても簡単です。
ボールベアリングを追加する際は、スプール内部と同じく、ボールベアリングのオープン面を下にして組み立てていきます。
これで2個目の追加完了です。うん、良い感じですね!
3.ラインローラー
3つめのラインローラーは、ネジを1本外してパーツを取り出していきます。
この時に、ネジの締め加減を確認するため、1度緩める→締めるを繰り返して、組み立て時に締めすぎないようにしましょう。
ラインローラー部を外した順番に並べると、ネジを含めて8個のパーツ数です。小さいパーツが複数あるので紛失には注意してくださいね。
赤い枠で囲っているパーツを交換します。交換後のボールベアリングを含んだパーツは、ラインローラーを挟んで右側のパーツと同じ組み合わせになります。
パッと見、パーツ数の多さに「難しそう」と感じてしまいますが、まとめられるパーツがあるので、誰でも簡単にできますよ。
まずはプラスチックのパーツの中に、ボールベアリングを組み込みます。オープン面を上にして、黒いゴムパーツでボールベアリングを隠すように覆います。
かなりスッキリしましたね。それにしてもラインローラーに搭載されているボールベアリングは、塩ガミ対策でパーツでしっかりと保護されているんですね。
左の白いパーツから順番にラインローラーに組み込んでいきます。ボールベアリングを組み合わせたパーツは、ラインローラーを挟んで、黒いゴムパーツが外側に見えるように組み込みます。
最後にネジを締めて、ラインローラーも完了です。
4.ハンドルノブ
最後のハンドルノブは、ピンセットでキャップ、ドライバーでネジを1本外すだけの1番簡単な工程ですが、ネジがめちゃくちゃ固くて苦戦しました。
固くなければ、マイナスドライバーの先端が3.0mmや4.0mmでも大丈夫かと思いますが、5.5mmがジャストサイズです。
ネジを外せたら、ハンドルノブの中に入っている黒いカラーを取り外すのみ!
あとはボールベアリングに交換して完成です!
また、ハンドルノブに追加するボールベアリング は、両面シールドタイプなので、向きを気にする心配はありません。
ハンドルノブはチューニングで1番簡単な部分ですが、まさかのネジが外れないとは思いもしませんでした。
これで18カルディアのボールベアリング数が、6個からMAX11個へのフルチューニングが完了です!お疲れ様でした。
チューニングを終えると、早く釣りに行って試してみたくなりますね!(笑)
チューニング後に使用するオイル
参考までに、私がチューニング後に使用するオイルをご紹介します。
今回交換したボールベアリングと同じメーカー、ヘッジホッグスタジオのアルケミーオイルウルトラライトで定期的にオイルの注入をします。
オイル注入済みのボールベアリングなので、チューニング時は使用しなくても良いのですが、定期的なオイルの注入は必須です。
リール専用に作られたボールベアリングには、同じメーカーの専用のオイルを使って回転性能を維持したいですよね。
定期的なオイルの注入をする目安としては、5回釣行に1回のメンテナンスがおすすめです。
最後に
毎年、新しいリールが登場するたびにワクワクしますが、リールは毎年買い替えられるほど「安いお買い物」ではありません。
初期状態でも十分に楽しめるスピニングリールですが、一手間かけてカスタマイズするだけで、より快適な使い心地、リールへの愛着も倍増です。
数千円で簡単にできる、ボールベアリングのチューニングをぜひ試してみてくださいね。