ヤマメやニジマスなどの綺麗な川魚と出会える渓流の釣りは、私の大好きな釣りの1つです。
緑鮮やかに生茂る木々が辺り一面を彩り、耳を澄ませば鳥や川のせせらぎ、湿った土のニオイ。
空気も美味しく、360度自然に囲まれた中での渓流釣りは、かなり控え目に言っても「サイコーッ!」です。(笑)
そんな自然を満喫できる渓流釣りですが、涼しげな雰囲気は感じるものの、夏はやっぱり暑いです。
私の住んでいる北海道でも、川のすぐ側にいても、きちんと水分補給しないと熱中症になってしまうほど暑いです。
せっかく自然を楽しみながら渓流釣りをするのであれば、暑い夏は、川の水の冷たさを感じながら気持ちよく釣りをしてみたいですよね。
そこで今回は、水に濡れることを前提とした渓流釣りの装備、ゲータースタイルについてご紹介します。
渓流釣りは足元の装備で釣果が分かれる
上流への遡行が基本の渓流釣りは、足元の装備で釣果に大きな差が出てきます。
私が初心者の頃は、ロッドとリール、ルアーを揃えただけで、服装はジーンズなど川に入らなくてもなんとか釣れる場所ばかり探してました。
そういうアクセスが容易で釣れる場所って、誰もが行くので早い者勝ちになったり、魚の警戒心もMAXになって次第に釣れなくなっちゃいますよね。
また、川に入れない服装では、川底の木や石にルアーが引っ掛かり、ほんの1m先の根掛かりでさえ四苦八苦してしまいます。
川を甘く見ていた当時の私は、裸足で川に入って根掛かりした場所まで歩いたのですが、夏と言えども常に流れている川の冷たさと、川底の石の凹凸が足裏のツボを刺激し、悶絶レベルの痛さに耐え忍びながら根掛かりを外した経験があります。
しかも、石に付着してる苔が滑るのなんの...。
わずか1m先の根掛かりでも、裸足では危険がありますし、普通の靴では滑ってケガの心配もあるため、肌の露出を抑えて川の中でも歩ける装備が必須です。蚊やアブなどの虫刺されも避けたいところですよね。
入渓しやすいポイントから、上流へちょっと進むだけで魚が溜まっているポイントがあるならば、是が非でも川に入って探索してみたいですよね。
ゲータースタイルとは
ゲータースタイルとは、水に濡れないために着用するウェーダーに対して、水に濡れることを前提としたスタイルを言います。ウェットウェーディングとも呼ばれています。
ゲータースタイルのオススメの装着例は、ゲータースタイルの装備で詳しくご紹介します。
水に濡れる前提の装備なため、暑い日に限られてしまいますが、北海道でも十分楽しめます!
続いて、私なりの体験ではありますが、ゲータースタイルのメリット・デメリットをご紹介します。
ゲータースタイルの6つのメリット
ウェーダーも体験した上での比較になりますが、ゲータースタイルには次の6つのメリットがあります。
- とにかく気持ち良い!
- 見た目がオシャレ
- 動きやすい
- ケガを軽減
- 荷物がかさばらない
- 水漏れの心配不要
上記6つのメリットを詳しく見ていきましょう。
1.とにかく気持ち良い!
ゲータースタイルの1番のメリットは、なんと言っても暑い夏でもガシガシ水に濡れて、とにかく気持ちが良いことですっ!
ゲーターの素材は、マリンスポーツにも採用されているクロロプレンやネオプレーン素材で体温が逃げにくい構造のため、ずっと渓流を歩きたくなるくらい快適です。
めちゃくちゃ暑いから川遊び(笑)
— たむ (@TuriTamHRF) August 6, 2020
川の音を聞きながら涼しくなってます😆 pic.twitter.com/6Ma46yB1gv
休憩の時に川に足を突っ込んで、自然を眺めての水分補給も最高です!
暑い日に完全防水のウェーダーを来ていると、透湿素材でもどうしてもムレてしまうし、何より渓流の冷たさを感じられないのは勿体ないですよね。
2.見た目がオシャレ
次に、2つめのメリットは、私の個人的な感想ですが、見た目が涼し気でオシャレなことです。
オシャレに詳しい方ではないので控えめの発言ですが、色合いの乏しいウェーダーに比べて、ハーフパンツ・ゲーター・ブーツと部位別の配色を楽しめますし、トップスとのカラーバランスにこだわるオシャレさんにはカラーバリエーション豊富なゲータースタイルがオススメです。
私の服装はこんな感じなので、オススメの組み合わせがあればTwitterのDMなどでこっそり教えてください。(笑)
3.動きやすい
3つめのメリットは、ゲータースタイルは動きやすいです。
上流に行くため、岩場や斜面を登る際に、ウェーダーでは膝が上げにくく少し動きにくいと感じました。
また、川の中を歩く際も、完全防水のウェーダーは、流れのきつい場所では水の抵抗をモロに受けてしまいます。水圧で足に圧迫感もあります。
一方で、水に濡れる前提のゲータースタイルは、膝を上げて岩場を余裕に登ることができますし、水圧や抵抗を感じることなく、川の中でも歩きやすいです。
ちなみに、川の中を歩く時は、着地の際に川底の石が動いてグラついたりするので、歩幅は小さく、すり足のように歩くと良いです。
足を上げすぎて川面をバシャバシャと歩くと、魚がビックリして逃げちゃいますからね。(笑)
ゲータースタイルは、水陸ともに機動力に優れています。
4.ケガを軽減
4つめのメリットは、ゲータースタイルは膝まで装着するため、万が一の転倒時でもケガを軽減することができます。
釣行時に擦れやすい膝部分は、生地が厚くなっているので、不意な転倒もダメージを柔らげてくれます。
5.荷物がかさばらない
5つめのメリットは、ゲータースタイルは収納がコンパクトなため、荷物がかさばらないことです。
左はゲータースタイル、右はウェーダーです。
ゲータースタイルのウェアについては、釣行場所によって現地で着替えたりしてます。
ゲータースタイルの荷物は、ウェーダーの半分くらいのサイズで収納できます。
ウェーダーの収納も、もっと良い方法があるのかもしれませんが、釣行後の撤収を素早くできるように大きめのバッグを使ってます。
車に積み込む荷物は、スッキリしていると、釣りの準備や撤収作業が圧倒的に楽ですよね。
6.水漏れの心配不要
最後の6つめのメリットは、ゲータースタイルは水に濡れて当たり前なので、もし、ゲーターが破れても水漏れの心配は不要です。
場所によっては、渓流まで自分の背丈ほど生い茂った草むらをかきわけて移動する藪漕ぎをするのですが、ゲータースタイルは何も気にせずガシガシと突き進むことができます。
反面、完全防水のウェーダーは、穴が開いてしまうと川に入れなくなってしまうので、破れないように慎重に藪漕ぎしなければなりません。
余計な神経を使わずに移動できるゲータースタイルの機動力を1度体験したら、ウェーダーに戻れなくなるくらい快適です。
ゲータースタイルの3つのデメリット
川に入ってクールダウン、機動力バツグンのゲータースタイルですが、長所ゆえの短所となる3つのデメリットは次のとおりです。
- 寒さに弱い
- 着脱が面倒
- 守備範囲は膝から下
それでは、順番に見ていきましょう。
1.寒さに弱い
まず1つめのデメリットは、ゲータースタイルは水に濡れるため暑い日はひんやりと気持ち良いのですが、当然、寒さに弱いです。
私の住んでいる北海道では、6月〜8月の2ヶ月限定の装備です。目安としては、Tシャツで外出できる気温がゲータースタイルで渓流釣りを楽しめる期間かなと。
気温によってゲータースタイルとウェーダーの使い分けがオススメです。
2.着脱が面倒
2つめのデメリットは、ゲーターはクロロプレンなどのゴム素材が使われているため、着脱が少し面倒です。
装着時はまだしも、釣行後はゲーターが濡れているので、かかとに引っ掛かって脱ぎにくいです。
簡単に脱げる方法を模索中ですが、爪先とかかと部分を少しずつ引っ張りながら脱ぐようにしています。
3.守備範囲は膝から下
最後の3つめのデメリットは、ゲータースタイルは膝まで保護して動きやすさに特化しているため、川に入り込める範囲は膝から下です。
腰回りまで浸かってしまうと、太ももが冷えて全身の動きが鈍くなります。
腰まで浸かる場所までルアーの根掛かりを外した経験があるのですが、行くまでは良いものの、足が冷えすぎて一歩も動けず戻れない状況になりました。
結局、川の流れにまかせて泳いで戻ったのですが、常時太ももまで浸かる場所ではゲータースタイルよりウェーダーがオススメです。
ゲータースタイルの装備
ゲータースタイルの装備は、レギンス・ハーフパンツ・ゲーター・ウェーディングシューズと、複数のアイテムの組み合わせが必要です。
ここで頭を悩ませるアイテムがゲーターです。ソックスと一体型のものもあれば分離型もあったり、釣行時に砂利が入り込まないようにシューズとゲーターの間にジャリガードがあったりと、組み合わせに頭を抱えてしまう人も多いですよね。
この記事では、ゲーターは実際に私が使っているソックス一体型でご紹介します。
それでは順番に見ていきましょう。
吸汗速乾タイツ
パズデザインのラッシュガードタイツ4は、汗の吸い取り、発散が早くサラサラの肌触りをキープします。
外にいるだけで、じっとりと汗をかくような時期は湿気がこもってムレて痒くなるのは嫌ですよね。スポーツメーカーのタイツでも大丈夫です。
蚊やアブなどの虫刺され防止のためタイツは必須です。素足でゲーターをすると、虫刺されはもちろん、斬新な日焼けをしてしまいますからね。(笑)
ハーフパンツ
ダイワストレッチメッシュハーフショーツは、水分を弾く撥水性、ストレス無くスムーズで動きやすい私のお気に入りのハーフパンツです。
撥水スプレー無しで水を弾くのは気持ち良いですよね。
マジックテープと紐で移動時にずれ落ちるような心配もありませんし、万が一体重が増減しても紐で調整、履きやすいのが嬉しいです。
ハーフパンツは、水が吸い込むと重くなって動きにくくなるので、撥水性とストレッチ性で選ぶことをおすすめします。
ゲーター
ダイワNG−410Sネオゲーター(先丸)は、ソックス・ゲーター・ジャリガードの3つの機能を兼ね備えたゲーターです。
3.0mm厚のクロロプレン素材で、体温が逃げにくいので冷えすぎず、ずっと川に入りたいくらい快適です。
ウェーディングシューズの紐にホックをかけて、ゲーターのズリ上がりの防止と、履き口の上に重ねて砂の侵入を防いでくれるのは嬉しいですよね。
ソックスとゲーターの分離型と結構悩んだのですが、分離型はソックスとゲーターの重なる部分や、ソックスの素材によって釣行時に足元の不快感があるようなので、一体型を選びました。
実際に一体型を使用して、釣行時に足元の不快感はありません。
ウェーディングシューズ
リトルプレゼンツのライトウェイトWDシューズは、ウェーディングシューズの定番と言っても過言ではないくらい人気のアイテムです。
完全に見た目と価格重視で購入したのですが、シューズ側面の水抜け用の穴で、水ハケも良くて動きやすいです。
シューズの底面はフェルト素材のため、苔などの滑りやすい足場でもしっかりと地に足を付けて釣りに集中できます。原流域の釣行が多い方は、フェルトスパイクが人気ですね。
ウェーディングシューズ・ウェア類の収納
ゲーターとウェーディングシューズの収納には、ダイワシューズバッグ(J)を使用しています。
ビッショリと水に濡れたシューズを車に積むのは嫌ですよね。苔のようなニオイを防ぐためにフタができる密閉タイプを愛用しています。
ウェア類は、撥水加工のZENLO圧縮バッグに収納してます。
釣りウェアに限らず、旅行の時にも衣類の収納がコンパクトになりますので、荷物を少しでもスッキリまとめたい方に超おすすめです。
トップスはアースカラーがオススメ
トップスは、吸汗速乾性の素材で肌を露出しない服装で十分ですが、自然に馴染むアースカラーがおすすめです。
派手な色合いは、警戒心の強い川魚に見つかりやすく、良いポイントであっても全然反応してくれません。
最後に
ゲータースタイルは、暑い夏の渓流釣りを涼しく快適に楽しめて、自然を存分に満喫できる装備です。
猛暑が続きますが、熱中症には十分に気をつけて、ゲータースタイルで夏を思いっきり楽しみましょう!