こんにちは!ツリタム管理人のたむです!
自然を舞台に、釣りたい魚をキャッチした瞬間の身体中が震えるほどの感動を味わえるのは、釣った人にしか体験できない最高の特権ですよね!
そんな感動を求めて、その日のヒットパターンや釣れそうなポイントを、頭と身体を駆使して疲れ果てる寸前まで釣りをした経験がある人も多いはず。
- 釣行前日から釣り場まで向かうワクワク感
- 自然の中に身を投じて思いっきり釣りを楽しむ
- 疲れて帰ってひとっ風呂浴びてビールを1杯
上記は1つの例ですが、釣行前日から帰ってくるまでをワンセットに、最高の休日が楽しめるのも釣りの魅力の1つです!
しかし、ここで忘れちゃいけないのが釣行後の釣り道具。楽しい釣りを全力でサポートしてくれる釣り道具も同じく疲れてクタクタです。
特に海釣りの場合は、時間の経過とともに固形化する塩への対処は欠かせません。
そこで今回は、釣り道具の中でも塩によるトラブルを絶対に避けたいスピニングリールに焦点を当てて、所要時間わずか1分で出来るリールの洗浄方法についてご紹介します。
釣行後の水洗いを怠ると・・・
釣行後の水洗いを怠ると、リールの可動部や回転部分で結晶化された塩が、シャリシャリと異音を立てて正常に動作せず、リール本来の性能が発揮できなくなってしまいます。
釣りをしている時にリールから異音がして正常に動作しない状況は、快適な釣りを楽しむどころか、ストレスや不安要素を抱えながらの釣りになってしまい、精神面でどっと疲れちゃいますよね...。
リールの水洗いをあまりされていない方に、ざっくりと頭の隅っこに入れておいて欲しいのですが、総パーツ数が100前後の数で構成されるスピニングリールは、可動部や回転する箇所が多い精密機械です。
写真のように、スプールやローター・丸で囲まれた5箇所は、リールの可動または回転する部分です。
「安物リールだから水洗いは面倒だなぁ」という気持ちで、私が釣りを始めたばかりの頃は水洗いをしていなかったのですが、スピニングリールの基本的な構造は、値段によって変わるものではありません。
むしろ、耐久面で素材のコストを抑えている安価なリールほど水洗いは必要です!
リールの値段にかかわらず、長く大事に使っていくためにも釣行後の水洗いを習慣化していきましょう!
リールによっては水洗いでの洗浄不可なものもありますので、リールの取扱説明書を確認してから水洗いすることをおすすめします。
スピニングリールの洗い方
釣行後のスピニングリールの洗い方は、次のとおりです。
- 1.水道水でリールに付着した塩(海水)を洗い流す:所要時間10秒〜20秒
- 1.タオルで水分を拭き取る:所要時間30秒〜40秒
わずか1分のお手軽工程ですが、水洗いをする・しないの差でリールの寿命に大きな差が出てきます。釣行頻度にかかわらず、海で釣りをした後は忘れずにリールの水洗いをしましょうね。
また、リールを水洗いする時間は10秒〜20秒くらいですが、可動・回転部分の多い精密機械なので「ただ洗えばいい」というわけではありません。
塩を除去するために水洗いは必要だけど、リール内部への水の進入は絶対にNGです!
ドラグを締める
リールを水で洗う前に、浸水を防ぐためにドラグを締めます。
スプール内部には、魚の引きに合わせてラインがスムーズに送り出せるように、ドラグワッシャーが入ってます。
写真の金属プレートの下にドラグワッシャーが数枚入っています。ドラグノブの裏側はゴムパッキンだったり、スプールに水抜け用の穴があったりとドラグを締めると水が侵入しにくい設計になっております。
ドラグワッシャーは、フェルト製またはカーボン製の素材が使われており、ドラグ専用のグリスでコーティングされています。
特にダイワのATDドラグは要注意です。ATDドラグ専用のグリスは販売されておらず、ATDグリス塗布済みのドラグワッシャーを購入するか、メンテナンスでオーバーホールを依頼するしかありません。
水でグリスが流れ落ちてしまうとドラグ性能が大きく損なわれますので、ドラグはしっかりと締め込みましょう。
リールハンドルは回さない
水洗いで塩を流し落とす際に、回転部からリール内部に浸水する恐れがあるのでリールハンドルは回さないように注意しましょう。
塩を除去するための水洗いが、リールハンドルを回すことで水とともに流れ落ちる塩がリール内部に侵入してしまうのは何とも切ない状況ですよね...。
写真のように、リールハンドルと連動して動くローターを持つとハンドルが回らなくなります。
このようなリールの持ち方は、絶対にハンドルを回したくない方や水洗い中に無性にハンドルを回したくなる方に超おすすめです!私はもちろん後者です(笑)
ドラグを締めてドラグワッシャーを濡らさない、水洗い中にリールハンドルは回さないの2点を意識して水洗いしましょう。
水洗いに入る前に、リールが汚れていないか確認するのもおすすめです!
シャワーでリール全体を水洗い
シャワーで水洗いする際の注意点は、次の2つです。
- 30℃以下の水で洗う
- リールの上から洗い流す
1つめの水の温度は、冷たさを感じる温度が理想ですが、30℃以下の水温がおすすめです。冬の寒い時期でも冷たいと少し億劫になってしまいますよね。
一般的にリールに塗布されているオイル・グリスは、30℃以上のお湯になると水と混ざって乳化してしまったり、オイル・グリスが流れ落ちたりします。ぬるま湯の方がしっかりと塩が落ちそうなイメージもありますが、冷たい水でも十分に塩を除去できます。
続いて2つめは、リールを綺麗に洗おうとするあまり、色んな角度から水を当てて洗ったりすると、リール内部に水が入ってしまうので、必ずリールの上方向から全体を洗い流すようにしましょう。少し斜めに傾けても大丈夫です。
シャワー洗浄以外のスピニングリールの洗い方で、バケツに水を張ってリールを浸水して丸ごと洗う「ドボン洗い」でも綺麗に塩抜きができるみたいですが、釣具メーカーが推奨している洗い方ではありません。
ドボン洗いは、リールの構造を熟知した方の洗浄法と思います。私はドボン洗いを否定はしませんが、おすすめもしません。
ラインローラーはしっかり回す
塩が1番溜まりやすいラインローラーは、指でしっかりと回しながら洗います。
ラインローラーは、糸ヨレを防止する役割がありますが、海水を纏ったラインを1番最初に受け止める、リールの中で最も酷使されるパーツです。
高価なリールになると、ボールベアリングが2つ採用されているほどライントラブルの回避に必須のパーツなため、ラインローラーはしっかりと回しながら洗いましょう。
ラインは指で撫でるように
150m〜200mほどスプールに巻かれているラインは、指で撫でるように洗います。
ラインに塩が残ってしまうと、塩でライン同士がくっついて、キャスト時のライン放出中に急ブレーキがかかりラインブレイクすることがあります。
回収できないルアーだけが軽快に宙を舞う光景をただ見つめる気持ちは容易に想像できますよね...?
そのような悲しい気持ちにならないためにも、ラインは指で水を染み込ませるように撫で洗いしましょうね。
汚れが目立つ箇所は歯ブラシで
リールの表面に付着した砂や汚れが目立つ時は、歯ブラシを使用して取り除きます。
リール表面の汚れは、トラブルの原因に繋がることはありませんが、見た目が綺麗なリールは気持ちいいですよね!「リールを綺麗にしたから今日は釣れる!」みたいな謎の期待感を持って釣りに出かけられます。
リール全体→ラインローラー→ライン→汚れの除去で水洗いの工程は終了です。
水洗いをされていない方は最初は時間がかかると思いますが、慣れてくると10秒〜20秒くらいで水洗いできますので、釣行後の習慣にしていきましょう!
次に、水洗い後の手順についてご紹介します。
リールハンドルを回して水分を飛ばす
水洗い後の最初の手順は、リールハンドルを回して水分を飛ばします。
リールハンドルを勢いよく回すと、お風呂後のワンちゃんのごとく水が広範囲に飛び散るため、水しぶきを好まない方は、この工程を省略してタオルで水分を拭き取っても大丈夫です。
タオルで水分を拭き取ってドラグを緩める
リール表面の水分を、タオルで包み込むようにして拭き取り、ドラグを緩めます。
ドラグをキツく締めたままでは、ドラグワッシャーが常に圧迫した状態になるので忘れずに緩めましょう!
スピニングリールの水洗いから拭き取りまで1分くらいで簡単に塩抜きができて、リールが長持ちするのであれば、やらない理由が見当たらないですよね!
水分を拭き取ったあとは、風通しの良い場所で1日〜2日ほど陰干しします。
早く乾かしたい方は、写真のようにスプール・ハンドルノブを外して半日ほど陰干しでも大丈夫です。
塩抜きは釣行直後が理想
時間の経過とともに固形化される塩を除去するには、家に帰ってからよりも釣りを終えた直後に水洗いをすることが理想です。
海の近くに住んでいる方は別として、釣りたい魚を求めて海まで1時間以上のドライブをされる方も多いですよね?
家に帰る頃には1度固形化された塩を水洗いするよりも、海水で濡れている時に水で洗い流す方が確実に塩を除去することが可能です。
水道水を入れた500mlのペットボトルとタオルを釣行時に持参するだけで、簡単に塩抜きと水分の拭き取りができるので是非試してみてください!
家に帰る頃には疲れて、水洗いが面倒と感じる方には特におすすめです!
たまにはオイル・グリスの注油も!
水洗いで塩抜きの他にも、可動・回転部へのオイル・グリスの注油も大切です。
オイル・グリスの使い分けや注油頻度は、各釣具メーカーが推奨している注油法もありますが、釣りに行く場所やリールの使い方によって変わってくる領域かなと感じます。
オイル・グリスの違いをざっくり言いますと、粘度がサラサラしているかネバネバしているかです。
低粘度でサラサラしているオイルは、アジングやメバリングなど感度や巻き心地を重視する釣りに使われることが多いです。低粘度のため、毎回注油される方が多いです。
一方で、高粘度でネバネバしているグリスは、波しぶきをかぶるサーフゲームや磯などリールを酷使する釣りに使われることが多いです。高粘度なので巻き心地が少し重く感じる反面、防錆効果は高いです。注油頻度は5回に1回など、釣行回数によって注油される方が多いです。
可動箇所全てをオイルまたはグリスで統一される方もいれば、ラインローラーとハンドルノブはオイル、それ以外はグリスと箇所によって使い分けされている方もいるので、色々試して自分好みの注油を模索するのも楽しみの1つかもしれませんね。
今回は、ダイワのリールガードグリス1本に統一して注油箇所をご紹介します。
ダイワのリールガードグリス単品もあるのですが、使い分けを楽しみたい方はオイルとグリスがセットになっているダイワリールガードスプレーセットが割安でおすすめです。
注油箇所
注油箇所は、次の6つです。
- ラインローラー
- ハンドルノブ
- ハンドル軸受け部
- スプール受け軸
- ウォームシャフト
- ベール
注油頻度は私なりの注油方法としては、ラインローラー・ハンドルノブ・ハンドル軸受け部は5回釣行で注油、ベール・スプール受け軸・ウォームシャフトは10回釣行で注油と分けています。
1回の釣行時間や頻度によって変わってきますので、あくまでも目安として見ていただけると幸いです。
また、グリス注油の際にキッチンペーパーと綿棒を使用しています。
それでは、5回釣行と10回釣行に分けて注油方法を見てみましょう。
5回釣行
まずは私が5回釣行を目安に注入している箇所は、ラインローラー2箇所・ハンドルノブ・ハンドル軸受け部の4箇所です。
グリスがこぼれてしまう場合もありますので、キッチンペーパーを敷いて作業しています。
グリスをラインローラーの溝に当てて、ワンプッシュします。
グリスは1滴垂らすだけで良いのですが、ダイワのリールガードグリスはスプレータイプなので注意していてもグリスが多く出てしまう場合があります。
グリスが多く出てしまった場合は、綿棒を使ってラインローラーを回すことで余分なグリスの拭き取りと、ラインローラーにグリスを馴染ませることができます。
ハンドルノブとハンドル軸受け部も同様にグリスの注入、回転して馴染ませていきます。
10回釣行
10回釣行でグリスを注入する箇所は、スプール軸受け部の白いカラー(またはボールベアリング)・ウォームシャフト・ベール2箇所の計4箇所です。
こちらの4箇所についても、グリスの注入→綿棒で拭き取り→可動・回転させてグリスを馴染ませていきます。
まとめ
最後に、スピニングリールの洗い方をおさらいしましょう。
- ドラグを締める
- リールハンドルは回さない
- 30℃以下の水温でリールの上から水洗い
- 水洗い後にリールハンドルを回して水分を飛ばす
- タオルで水分を拭き取り、ドラグを緩める
- 風通しの良い場所で陰干し
釣行後の水洗いで塩抜きをするだけで、スピニングリールの寿命が伸びて本来の性能を発揮できます。
1分でできるお手軽メンテナンスで、スピニングリールを長く大事に大切に使っていきましょうね。