港や堤防で30cm前後のクロソイを狙ってロックフィッシュゲームをしていると、ベイトフィネスタックルを使用しているアングラーをよく見かけるようになりました。
私もベイトフィネスタックルでライトゲームを始めて1年以上経ちますが、初めてベイトフィネスに挑戦する時は、高価なイメージのあるリールとベイトフィネス専用のロッドを同時に購入する必要があるため、予算が悩ましいところですよね。
釣具メーカーではダイワ派の私ですが、「なるべく低予算でベイトフィネスを始めてみたい」と行きつけの釣具店へ相談したところ、スウェーデンの釣具メーカーのアブガルシアが、ソルトライトゲームのリールやロッドが充実しており、しかも低予算でタックルが組めると教えていただきました。
そこで今回は、2018年4月に発売されてから今もなお最強のコストパフォーマンスを誇り、ベイトフィネス入門に最適なリール、アブガルシア・ロキサーニBF8の魅力と1年以上使ってみた感想をお伝えします。
スピニングタックルの選び方については別記事にて紹介しています。
アブガルシア・ロキサーニBF8の6つの魅力!
今回ご紹介するのは5種類のラインナップで展開されているロキサーニシリーズの1つ、アブガルシア・ロキサーニBF8というベイトフィネスリールです。
お手頃価格でありながら上位機種であるREVO(レボ)の設計・機能を引き継いだリールということから、アブガルシアファンの方はもちろん、ベイトフィネスゲーム初心者にも注目度の高いリールです。
ロキサーニBF8の基本スペック
- 自重:185g
- ギア比:8.0:1
- 最大ライン巻取:83cm
- 最大ドラグ力:5.5kg
- ラインキャパシティ:8lb:100m 10lb:80m PE1号:200m
- ボール/ローラーベアリング:4/1
基本スペックの詳細については、アブガルシアを取り扱っている釣具の総合メーカー、ピュア・フィッシング・ジャパンの公式HPをご確認ください。
上記の性能も含めて、私が「ロキサーニBF8でベイトフィネスの楽しさを知って欲しい!」と感じる6つの魅力をご紹介します。
1.最大の魅力はコスパ!
声を大にしてお伝えしたい1つめの魅力は、ベイトフィネスリールではありえないほどの低価格です!
アブガルシア・ロキサーニBF8は実売価格15,000円以下と、5g以下の軽量ルアーが扱えるベイトフィネスリールでは2020年3月現在でも最強のコストパフォーマンスを誇るリールです。
リールの価格は使われている素材の影響が大きく、特にベイトフィネスリールの場合、軽量ルアーを快適に操作できるように軽くて強度の高い素材を使用する必要がありますので、当然価格もお高くなりがちです。
ベイトフィネス先駆けの頃から比べると価格帯も落ち着いてきましたが、現在でも2万円から6万円が相場となっております。
ロキサーニBF8は低価格でありながら、ギアやスプールなどの重要なパーツは上位機種のREVOと同じ素材を使用しているため、丈夫で扱いやすくベイトフィネス入門機として超おすすめです!
2.見た目はマットなブラック!
続いて2つめの魅力は、光沢感のあるリールが多い中、異質な存在感を放つマットなブラックカラーです。
私は夜釣りで使用することが多いのですが、闇に溶け込むような渋い黒がとにかくカッコいい!
また、コストを抑えるためかボディは樹脂素材を使用していますが、冬の釣りでは冷たくなりにくいので地味に嬉しいポイントです。
見た目で1番驚いたのはカーボンハンドルです。「ロキサーニBF8の価格でこのハンドルをつけて大丈夫?」とアブガルシアの本気度にビビりました。
軽量化と剛性に優れたカーボン素材のハンドルは、カスタマイズする際に購入しようとするとハンドルだけでも1万円前後の価格になります。
どんなロッドにも合わせやすい黒を基調としたカラーリングと標準装備のカーボンハンドル。シンプルにカッコいいです!
3.ソルト対応でお手入れ簡単!
3つめの魅力は、防錆ボールベアリングを搭載したソルト対応リールのため、使用後は水で海水をさっと洗い流すだけとお手入れがとても簡単なことです!
ロキサーニBF8にはスプールシャフトにボールベアリング3つと、リールハンドルのギアシャフトにボールベアリング1つ搭載されています。
写真の丸で囲まれた4箇所に防錆ボールベアリングを搭載しており、その中でも赤い丸で囲まれている箇所はベイトリールで最も塩の結晶が残りやすい部分のため、ボールベアリング全体に撥水コートを施したアブガルシア独自開発のソルトシールドピニオンボールベアリングが採用されています。
釣行回数にもよりますが、使用後にリールを水で洗い流していても塩による腐食は完全には避けられません。
しかし、写真のようにメカニカルブレーキキャップの内側中心部に赤錆が発生してしまうくらいに使用しても、ボールベアリングは錆びることなく新品と見間違えてしまうくらい綺麗ですね!
ベアリングをはじめ、リールの回転に影響のあるポイントはしっかりと防錆対策を施しており、1年以上使用しても塩ガミで異音がするようなことは1度もありません
ボールベアリングの詳細とテスト状況についても、ピュア・フィッシング・ジャパンの公式HPで確認することができます。
4.初心者に優しい簡単ブレーキ設定
4つめの魅力は、初心者でも簡単に設定できるマグネットブレーキが搭載されていることです。
マグネットを10個使用しており、ルアーの重さに合わせて細かいブレーキ調整ができます。
マグネットを確認するためにリールのサイドプレートを外しましたが、ブレーキ調整をする時は写真のように外す必要はなく、リールの外側についているダイヤルを回すだけです!
丸で囲まれている2つの点の範囲内でブレーキを設定することができます。上の点はブレーキが全く効いていない「0」の状態で、下の点はブレーキが「MAX」の状態となりますので、上の写真のダイヤル位置では7割ほどの強さでブレーキがかかります。
マグネットブレーキの設定は、MAXの状態から少しずつ緩めて調整していくと、初心者泣かせのバックラッシュすることなくキャスティングできます。
参考までに私の調整方法を紹介しますと、ライトロックで使用する1番重い8gのルアーのブレーキ調整をする際には、先ほどの写真のダイヤル位置から始めて、少しずつブレーキを緩めて調整しています。
また、ダイヤルを回すたびに「カチッ」と音がして止まってくれるので、一気にブレーキが緩んでしまうこともありません。
5.ギア比8.0:1のエクストラハイギア仕様はロックフィッシュに最適!
5つめの魅力は、ロキサーニBF8は「ロックフィッシュゲームのために作られたリールなのでは?」と勘違いしてしまうくらいロックフィッシュに最適なギア比です!
ロキサーニBF8のギア比8.0:1は、ハンドルが1回転する間にスプールが8回転するという比率で、ラインを83cm巻き取ることが出来るエクストラハイギア仕様となっています。
このハンドル1回転で83cmのラインの巻き取り力が、根に潜られる前にロックフィッシュを引きずり出して有利な状況でパワー勝負に持ち込むことが出来るんです!
ロキサーニBF8のエクストラハイギア仕様は、海底を果敢に攻めるロックフィッシュゲームにドンピシャです!
6.地味に嬉しいルアーキーパー
最後の6つめの魅力は、アブガルシアのリールにしかないルアーキーパーが付いていることです。
リール本体に、必要な時だけ引き出せるルアーキーパーが付いています。
釣り場を移動する際にフックをかける場所があるだけでも嬉しいのですが、写真の半月状の小さな穴がラインキーパーとして機能するので、ラインを収納する時にも大活躍です!
ロキサーニBF8のここだけが・・・
6つの大きな魅力が詰まったロキサーニBF8ですが、気になっている点が1つだけあります。
両手で操作をすることが必須のスピニングリールに対して、ベイトリールは片手操作で手返しが早いという特徴があるのですが、ロキサーニBF8はクラッチレバーが少し硬いです。
クラッチレバーを親指で押してキャストした後にスタードラグに薬指をかけてクラッチを切るという動作を片手で行うことができますが、スタードラグの角度によっては片手でクラッチが切りにくいこともあり、私は両手で操作しています。
ロキサーニBF8は耐久性に優れたクラッチレバーで1年以上使用してもしっかりとしている安心感はありますが、「押す・切るの一連の動作を片手でできればもっと快適だったのに」と少し残念です。
ライトロックで1年以上使ってみた感想
ロキサーニBF8を1年以上使った感想ですが、結論から言いますと「良いお買い物をした」と大満足です!
低価格なリールとなると、バックラッシュが起こりやすい・故障しやすいとよく耳にしますが、マグネットブレーキがしっかりと効いて、ベイトフィネス初心者の私でもバックラッシュすることなく快適にキャスティングできました。
また、私の体感ですが、釣行回数を重ねてもハンドルを回して異音がするようなこともなく、購入当時そのままの感覚で気兼ねせずにガンガン扱えるタフなリールと感じます。
ちなみに私がベイトフィネスで使用しているロッドは、同じアブガルシア製のソルティスタイルベイトフィネスカスタム6102ULT-KRです。
リールに合わせるロッドも同じメーカーで統一したいと考えたことが購入の決め手でした。
リール単体で2万5千円以上は覚悟していたのですが、リールとロッド合わせて2万5千円の低予算で抑えられて、お財布も大変喜んでおりました。
同じメーカーでタックルを統一して相性が良くないわけがなく、30cmのクロソイのパワーにも負けずに釣り上げることができました!
初めて使用した時はスピニングタックルで慣れていたPEライン1号を100mくらい巻いていましたが、ライトロックは遠投する必要がないため、現在はサンラインロックハンターフロロカーボンライン8lb75mを巻いています。
8lbラインを100mまで巻くことができますが、最大糸巻き量まで巻いてしまうと、スプールが重くなって回転スピードが落ちてしまいます。
ベイトフィネス用のリールは、スプールを少しでも軽くするようにラインを少なく巻くことで、軽量ルアーを快適にキャストできます。
カスタマイズで進化するリール
ロキサーニBF8は、そのままでも楽しめるリールですが、カスタマイズによって上位機種に迫る性能へ進化することも可能です!
アブガルシアのリールは、ダイワ・シマノのリールと比較すると、リール構造がシンプルでわかりやすく、カスタマイズに挑戦しやすいリールです。
カスタマイズしていない状態で1年以上使用しましたが、ボールベアリングの追加で「操作性が今よりも快適になったどうなるんだろう?」と楽しみになり、必要な道具などを調査中です。
天候が悪くて釣りに行けない日は、お手入れやカスタマイズでリールをいじっている時間も楽しいですよ!
ロキサーニBF8のボールベアリング追加については、こちらの記事にて紹介しています。
ロキサーニBF8は低コストでベイトフィネスの釣りで幅が広がる楽しみと、カスタマイズで進化する楽しみがあり、長く大切に使いたい私の相棒です!